事故による損害
全損には経済的全損と物理的全損があります。
経済的全損とは、技術的には解決できるが、修理費が時価を上回るため、全損と判断することをいいます。
物理的全損とは修理が不可能なまでにひどく壊れた状態のことです。「一目(ひとめ)全損」ともいいます。
事故をしてクルマがつぶれた場合、クルマの状態が全損か分損であるか判断するのが事故処理にあたってはじめにすべきことです。
分損とは修理が可能で修理費用がクルマの時価を超えない場合をいいます。
分損事故では修理代のほか、レッカー費用、交通費、代車料、格落ちなどを損害として請求できます。
修理代は事故以前からあるキズを修理する「便乗修理」やキズ部分を必要以上に修理する「過剰修理」などはもちろん請求できません。
修理については基本的に修理会社や保険会社などに任せるしかありませんが、「不必要な修理を求めているのではない」というしっかりとした意思は伝えるようにしましょう。
全損などの事故にあったとき、事故による損害はクルマだけではないはずで、例えば、同じクルマを買ったとしても、ナンバー登録をしたり、税金を納めたりしなくてはなりません。
つまり、事故による損害回復とは原状回復であり、元通りクルマに乗れるようにするための全費用をもらうことといえます。
ただ、対物保険の担当者は「クルマの時価を賠償すればすべて解決です」というように言ってくるようです。
これについて、原状回復を認めた判例はいくつもありますので自信を持って交渉してみる価値はあるでしょう。
全損ではクルマ自体の損害のほか、代車料と残存車検費用も請求できます。
代車料とは代わりのクルマを買うまでの期間、レンタカーなどを借りたときに支出した費用のことです。
代車を借りる期間は中古車購入で20日間、新車購入で30日間といわれています。
残存車検費用とは支払った車検費用のうち、事故日以降の残存期間分の無駄になった費用のことです。